ビジネス地頭力養成講座

ビジネスリーダー育成プログラム

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ビジネスにおける傾聴の重要性

「傾聴とは何か?」と受講者の皆さんに尋ねると、多くの方が「真剣に聞く」「心を傾けて聞く」と答えます。これらは間違いではありませんが、それだけでは「どのようにして傾聴を実践するか?」という具体的な方法が見えてきません。傾聴の目的を明確にすることで、実践的なスキルとして活用できるようになります。

傾聴の目的を理解する

傾聴の目的を「相手の言動の背景にある意図を正確に理解すること」と定義してみましょう。この定義により、私たちが意識すべきポイントが具体化します。たとえば、親友が魔が差して万引きをしてしまい、「自首すべきか」と相談してきたとします。このとき、傾聴ができているかどうかで、対応は大きく異なります。

真剣に聞くだけでは不十分

もし「真剣に聞く」ことを傾聴と考えると、親友の話を一生懸命聞いた後に、「万引きは悪いことだ」「自首しなさい」と即座に助言してしまうかもしれません。この対応は誠実なようで、実は不十分な場合があります。なぜなら、相手が「そんなことは分かっている」と感じて心を閉ざしてしまう可能性があるからです。また、友人がなぜ万引きをしてしまったのかという背景を理解しなければ、同じ過ちを繰り返すリスクを残します。

傾聴の本質:背景を探る

一方、傾聴を「相手の行動や言葉の背景を理解すること」と捉えると、アプローチは大きく変わります。善悪の判断を急ぐのではなく、「どんな事情がこの行動に至らせたのだろう?」と背景に目を向け、対話を進めることが重要です。このアプローチにより、相手の内面にある本音を引き出し、相互理解を深めることができます。

さらに、背景を理解することで、相手が再び同じ行動を繰り返さないようサポートすることが可能になります。こうした理解は、親しい友人や家族だけでなく、職場の同僚や部下、さらには顧客との関係にも役立つでしょう。

傾聴がもたらす効果

傾聴のスキルを身につけることで、相手への理解が深まり、信頼関係が構築されます。さらに、相手自身が話しながら思考を整理し、新たな気づきを得る手助けとなります。このプロセスは、単なるコミュニケーションを超えて、問題解決や関係性の強化につながります。

例えば、ビジネスの場面で顧客の課題を正確に理解することで、提案の質を高め、成果を出す可能性が高まります。また、部下との対話では、仕事上のストレスや課題を共有することで、モチベーション向上につながることがあります。

ビジネスシーンでの傾聴の活用

傾聴は、特にビジネスの場で大きな価値を発揮します。以下のような場面でその効果を実感できるでしょう。

  • 部下との対話: 部下の悩みや課題を深く理解し、適切な支援を提供。信頼関係を築くことで、より良いチーム運営が可能になります。
  • 顧客対応: 顧客のニーズや期待を正確に把握し、信頼を得る。これにより、長期的な関係性を構築できます。
  • 社内コミュニケーション: チーム間の連携を強化し、協力的な関係を築く。情報共有がスムーズになり、生産性が向上します。
  • 問題解決: 複雑な状況や利害関係の調整をスムーズに進める。背景を理解することで、相手の本当の意図を引き出せます。

傾聴を学ぶ機会を広げる

私自身、会社員時代には傾聴を体系的に学ぶ機会がほとんどありませんでした。しかし、傾聴スキルを身につけることで、コミュニケーションが劇的に改善され、成果にもつながることを実感しました。傾聴は特別なスキルではなく、誰でも日常で実践可能なものです。

多くのビジネスパーソンにとって、「聞く」という行為は当たり前のように感じられるかもしれません。しかし、実際には傾聴の質を高めることで、対話の効果が格段に向上します。特に、部下や顧客との関係においては、その効果をすぐに実感できるでしょう。

傾聴の可能性を広げるために

傾聴のスキルは、コーチングやカウンセリングの場面だけでなく、あらゆるビジネスシーンで応用できます。このスキルが広まることで、組織全体の活性化や生産性向上に寄与するでしょう。さらに、個人間の対話を通じて信頼関係が深まり、チーム全体のパフォーマンス向上にもつながります。

傾聴を通じて、より深い対話を実現し、信頼関係を築いていきませんか?その第一歩は、自分自身の「聞き方」を見直すことから始まります。小さな意識の変化が、大きな成果を生むことをぜひ体感してください。

Tetsuro

Tetsuro

株式会社 2E Consulting 代表。中小企業診断士。アメリカ合衆国ニューヨーク州出身。一橋大学社会学部卒。三菱商事にて製鉄用石炭・鉄鉱石のトレーディング・事業開発・投資事業に携わり、インド・ドイツ・シンガポールに9年間駐在。海外駐在において現地人材の育成・組織開発に携わる中で人材育成に興味を持ち、企業向け研修会社に転職、年間2,000人の受講生にビジネススキルを教える。Harvard Business School Program for Leadership Development 修了(2019年)。その後、独立し、中小企業診断士として数多くの企業経営の現場で経営改善に従事している。

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