少し不思議な気持ちです。
拙著『ビジネスパーソンに必要な3つの力』(中央経済社)が、発売から1年を経て、紀伊國屋書店・大手町ビル店のビジネス書ランキングで1位になったと、担当の方から教えていただきました。多くの新刊が並ぶ中で、これほどの時間が経ってから評価をいただけるのは、著者冥利に尽きるというものです。
書籍は「売れ行きがすべて」ではありませんが、やはり書店の棚で手に取られているという事実は素直に嬉しく、何よりも「このテーマが現場に届いている」ことの証として、心から感謝の気持ちが湧いてきました。
なぜ今、「3つの力」が求められているのか?
最近、ある企業の管理職研修にて、私たちの研修プログラムを導入いただきました。このプログラムでは、以下の3つの力に絞って、管理職として必要なスキルとマインドを体系的に学びます。
- 自己基盤力:自分自身の「働く目的」や「価値観」を問い直す力
- 課題解決力:目的から逆算して、現場で解決策を導き出す論理的思考力
- 他者影響力:部下や関係者を巻き込み、行動を促す対話力・リーダーシップ
この3つは、あらゆるビジネススキルの土台となる「地頭力」そのものでありながら、従来の管理職研修では断片的に扱われることが多く、体系立てて学ぶ機会は意外と少ないというのが現状です。
導入いただいた企業の人事責任者の方からは、「この3つに正面から向き合うプログラムは他にない。特に“自己基盤力”こそ、今の管理職に最も必要なテーマだ」とのお声をいただきました。現場での手応えを肌で感じた瞬間でした。
「自己基盤力」はすべてのビジネスパーソンに必要な力
『ビジネスパーソンに必要な3つの力』という書籍では、管理職に限らず、すべてのビジネスパーソンが持つべき“ポータブルスキル”として、上記の3つの力を紹介しています。とりわけ「自己基盤力」──つまり、「自分は何のために働いているのか」という問いに向き合う力──は、職位や業種を問わず、すべての人に共通する根源的なテーマです。
成果主義が強まる中で、業績目標に追われながらも「やりがいが感じられない」「方向性を見失っている」と感じる管理職や若手社員は少なくありません。だからこそ、あらためて“原点に立ち返る力”を取り戻すことが、これからの組織の持続的な成長には欠かせないと私は考えています。
現場で使える「実践的な研修」として
私たちが提供している管理職研修では、単なるインプットにとどまらず、アウトプットと内省の機会を重視しています。講義形式で知識を伝えるだけではなく、受講者同士の対話やワークショップ、1on1セッションを通じて、自分の言葉で考え、自分の行動に落とし込む時間を大切にしています。
実際に受講いただいた管理職の方々からは、
- 「これまで“部下のモチベーションが低い”と悩んでいたが、自分がまず“何のためにマネジメントをするのか”を明確にすることで、接し方が大きく変わった」
- 「問題解決を他責にしがちだったが、“課題の定義”そのものを見直す視点を得られた」
といった声も届いています。
研修が終わった後に「これで終わり」ではなく、「これから始まる」という実感を持ってもらえること。それこそが、私たちの研修の最大の価値だと信じています。
書籍を通じて、そして研修を通じて、多くのビジネスパーソンや企業の方々と出会い、対話を重ねる中で、「3つの力」は決して一過性のブームではなく、これからの時代に必要不可欠な“核”なのだと確信するようになりました。
紀伊國屋書店・大手町ビル店での1位という知らせは、そのことを静かに後押ししてくれているように感じます。
日頃から丁寧に販促を進めてくださっている中央経済社の営業の皆さまにも、心より感謝申し上げます。そして、これを機に本書を手に取ってくださる方が、ひとつでも多くの気づきを得てくだされば、これ以上の喜びはありません。
お近くにお越しの際は、ぜひ書店でチラッと覗いてみてください。
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