今週、某大手メーカーにて、リーダー候補生の皆さまに初めての「コーチャブル研修(コーチャビリティ研修)」を実施しました。
人材育成や次世代リーダー育成の現場で、「コーチャビリティとは何か?」という問いが急速に重要性を増しています。
フィードバックを活かせる人材が育たない、部下が指示待ちになる、コーチングを受け入れられない──多くの組織が同じ課題を抱えているからです。
今回の研修は、その問題に対する一つの解決策として開発しました。実施後の反応からも、企業研修としての手応えを強く感じました。
「コーチャブル」という言葉を知った日
私が「コーチャブル」という言葉を初めて知ったのは、独立前に参加した佐藤 優さんの「長期安定講座」Day1でした。
佐藤さんはこう語りました。
「コーチャブルとは、学び続ける姿勢を持った状態であり、成功者の絶対条件である」
これは「コーチャビリティとは何か」を端的に表した言葉であり、今の人材育成の文脈でも非常に本質的です。
さらに、79歳でアイアンマンレースを初完走した稲田さんのお話を伺い、私は「人は何歳からでも成長できる」という確信を持ちました。
この日が、私にとっての“コーチャブル誕生の原点”になりました。
コーチャビリティの土台にある「自己基盤力」
その後、企業の育成支援を重ねる中で、私は「コーチャブル」と「自己基盤力」が深く結びついていることに気づきました。
コーチャブルな人材には、次の2つが必ず存在します。
- 揺るぎない自己信頼(自己基盤力)
- 明確な目的・Will(キャリアの軸)
部下育成がうまくいかない理由の多くは、スキル不足ではありません。
「自己基盤」そのものが弱く、フィードバックを防御反応で跳ね返してしまうことが本質的な原因です。
伝説のエグゼクティブコーチ、ビル・キャンベルも次のように語っています。
「コーチャブルでない人間に、どんなコーチングをしても無意味だ」
まさに、コーチングよりも先に「コーチャビリティ」を育てる必要があるのです。
初の「コーチャブル研修」をゼロから設計
今回のコーチャブル研修は、大学剣道部の先輩が創業したフォスターリンク社と、同社に在籍する後輩メンバーと共に、完全にゼロから設計しました。
人材育成、組織開発、部下育成の現場課題を踏まえ、次の3点を重視しました。
1. 「コーチャビリティとは何か」を明確に言語化
素直さや従順さとは違い、主体性を持ってフィードバックを成長に変える力であることを示しました。
2. スキルではなく“姿勢”を育てる
自己基盤力ワーク、承認欲求の理解、Will-Can-Mustの整理などを通じ、行動変容の土台づくりを行いました。
3. 上司に依存せず成長できる“自走人材”を育てる
上司との相性や環境に左右されずに成長できる人材こそ、現代の組織に求められる次世代リーダーです。
研修の中で、参加者がフィードバックを受け入れ、「自分の成長に役立てる視点」を持った瞬間を何度も目にしました。
研修を終えて感じたこと
今回のコーチャブル研修を通じて、改めて実感したことがあります。
コーチャブルな人材が増えると、
・フィードバックが循環し始める
・上司部下の関係性が良くなる
・若手育成が加速する
・チームが前向きに学ぶようになる
そして何より、本人のキャリアの選択肢が広がっていきます。
まさに「自律的キャリア」や「次世代リーダー育成」の土台は、コーチャビリティにあります。
これからの取り組み
今後もコーチャビリティ研修を磨き込み、
・自己基盤力
・1on1対話力
・フォロワーシップ
と並ぶ、組織開発の中核テーマとして展開していきます。
人と組織が自律的に成長していくための基盤として、より多くの企業にこの概念を届けていきたいと思います。
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