2E式管理職養成プログラム

「自己基盤力」をベースに

管理職を“罰ゲーム”にしないための、マネジメント再設計。

お問い合わせ

ご質問、ご相談、お気軽にお寄せください。

管理職研修で変わる組織の姿——4タイプの企業分類と課題解決力の関係

管理職研修組織変革企業成長

管理職研修で「課題解決力」を体系的に学ぶと、自分の組織が今どの状態にあるかを客観的に把握できるようになります。企業・組織には大きく4つのタイプが存在しており、管理職の思考力がそのタイプを決定づけます。本記事では、この4タイプ分類を通じて、管理職研修が目指す組織変革の方向性を解説します。

あなたの組織は今どのタイプか——自己診断のすすめ

管理職研修の場では、参加者に「自分の組織は今どのタイプに当てはまるか」を考えてもらうことが非常に有効です。なぜなら、タイプを認識することで初めて「自分たちに今何が必要か」が見えてくるからです。

前回の記事で解説した「問題(発生型)」と「課題(設定型)」という概念を組み合わせると、企業・組織は以下の4タイプに分類することができます。管理職研修でこのフレームを使うと、組織の現状分析が格段にしやすくなります。

💡 管理職研修ワーク:以下の4タイプを読んで、「自分の組織は今どこにいるか」を考えてみましょう。正直に向き合うことが、変革の第一歩です。

タイプ①:夢と希望に燃えている企業

① 夢と希望に燃えている企業

「問題」は発生しておらず、「課題」を達成すべく前向きに取り組んでいる状態。スタートアップや新規事業立ち上げ期が典型的な例。

このタイプの組織は、まだ「問題(発生型)」が表面化していないため、エネルギーのすべてを「課題(設定型)」の達成に注ぐことができます。「ありたい姿」に向かって猪突猛進できる、ある意味でもっとも純粋な状態です。創業直後のAppleが典型例で、ガレージからスタートしたジョブズたちは「世界を変えるコンピュータを作る」という課題だけを持ち、問題に縛られることなく前進し続けました。

しかし管理職研修の観点では、このフェーズの組織に対して「問題解決の仕組みを先に整えておく」ことも重要な課題として提示することができます。問題が起きてから慌てるのではなく、予防的に組織の基盤を強化しておくことが、長期的な成長につながります。

タイプ②:疲弊している企業

② 疲弊している企業

「問題」ばかりが発生し、それに追われるだけで「課題」を設定できていない状態。組織全体が消耗し、未来への展望が描けない。

このタイプがもっとも深刻です。「問題」が次々と発生し、管理職も現場もその対処に追われ続けます。「課題(ありたい姿)」を設定するどころか、日々の火消しで精一杯。多くの社員が「言われたことをやるだけ」の状態に陥り、組織から活力が失われていきます。実際、多くの日本企業がこのタイプに当てはまります。そして疲弊の度が過ぎた組織では、コンプライアンス意識の低下や隠蔽体質が生まれ、近年のNIDECのような組織的な不祥事につながるケースも出てきます。

管理職研修でこのタイプの特徴を学ぶと、参加者の多くが「これはうちのことだ」と気づきます。そして「なぜこうなるのか」という根本原因を問い直すきっかけになります。このタイプから脱するには、管理職が「問題対処」と「課題設定」の両方を担える思考力を身につけることが急務です。

タイプ③:低迷している企業

③ 低迷している企業

「問題」も「課題」もなく、ぬるま湯状態の企業。変化の少ない市場でそれなりの利益を上げているが、成長を求めない状態。

このタイプは一見、安定しているように見えます。しかし、「問題」もなく「課題」もないということは、「現状に満足している」ということであり、変化の激しい現代では最も危険な状態ともいえます。かつての東京電力や多くの国営企業がこれに該当します。独占的な市場環境に守られ、問題も課題も持たないまま組織が硬直化し、いざ競争にさらされた際に対応できなくなるのです。

市場環境は常に変化しており、現状維持は実質的には後退です。管理職研修でこのタイプを取り上げる際には、「今この瞬間、あなたの組織が成長を止めているとしたら、5年後はどうなっているか」という問いを管理職に突きつけることが有効です。危機感を持てない組織に未来はありません。

タイプ④:成長する企業——管理職研修が目指すゴール

④ 成長する企業

「問題」にも対処しながら、常に「課題」を設定し、夢と希望を持って課題解決に向けて取り組んでいる企業。問題と課題の両方を持ち、それをバランスよく対処できている。

このタイプが、管理職研修が目指す組織の姿です。成長する企業は、「問題(発生型)」と「課題(設定型)」の両方を持ちながら、それを両者バランスよく対処できています。トヨタ、Apple(成熟期以降)、スターバックスなどがその代表例です。これらの企業は、日々の問題にも真摯に向き合いながら、常に「次の10年、どこを目指すか」という課題を設定し続けています。

管理職がこの思考を身につけると、組織は自然と「未来に向かって動く集団」へと変わります。「問題が起きた、どうしよう」ではなく、「問題を解決しながら、さらにここを目指す」という態度で組織を引っ張ることができるようになります。

組織の4パターン——問題・課題への対応状況による4つの企業タイプを示す図
図:組織の4パターン——「問題」と「課題」への取り組み方で企業タイプが決まる

管理職研修で「今の自分の組織」を問い直す

4つのタイプを理解した上で、管理職研修の参加者に「自分の組織はどのタイプか」「そのタイプから脱するために、自分は何をすべきか」を考えさせることが重要です。

多くの管理職が②の「疲弊している企業」に近い状態を実感します。そしてその状態から脱するための第一歩として、「課題(ありたい姿)を自分で設定する習慣」を身につけることの重要性を、管理職研修を通じて実感してもらうことができます。

まとめ——自分の組織タイプを正直に問い直すことが変革の起点

4タイプのうち、「成長する企業」は問題にも向き合いながら課題も設定し続けています。管理職研修の目的はこの状態を組織に定着させることです。今日、自分のチームに「私たちは今どのタイプにいるか」と問いかけてみてください。正直に現状を認識することが、変革の一歩目です。

管理職研修のプログラム設計でお悩みですか?

課題解決力を軸にした管理職研修プログラムの詳細は、お気軽にお問い合わせください。貴社の組織課題に合わせたカスタマイズにも対応いたします。

Tetsuro

Tetsuro

株式会社 2E Consulting 代表。中小企業診断士。アメリカ合衆国ニューヨーク州出身。一橋大学社会学部卒。三菱商事にて製鉄用石炭・鉄鉱石のトレーディング・事業開発・投資事業に携わり、インド・ドイツ・シンガポールに9年間駐在。海外駐在において現地人材の育成・組織開発に携わる中で人材育成に興味を持ち、企業向け研修会社に転職、年間2,000人の受講生にビジネススキルを教える。Harvard Business School Program for Leadership Development 修了(2019年)。その後、独立し、中小企業診断士として数多くの企業経営の現場で経営改善に従事している。

コメント

この記事へのコメントはありません。

おすすめ記事

PAGE TOP