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【管理職研修】会議参加者を絞り込む技術―「本当に必要な人だけ」にする方法

「会議の参加者は、とりあえず関係者を全員呼んでいます」——管理職研修の場でこの声を聞くたびに、「それが会議の生産性を最も下げている原因かもしれません」とお伝えしています。参加者の選定は、会議の質を左右する重要な準備です。

会議のコストを具体的に考えてみましょう。月給50万円(1時間あたり約3,000円)の社員6名で1時間の会議を開くと、それだけで約18,000円のコストが発生します。もしそのうち2名が実質的に不要な参加者なら、毎回6,000円が無駄になります。週1回の定例会議なら、年間で30万円以上のコストです。

本記事では、管理職研修で学ぶ「参加者の絞り込み技術」を、判断基準・3分類の考え方・外す際の伝え方まで実践的に解説します。

1. 不要な参加者がいる会議で起きること

「とりあえず関係者全員を呼ぶ」という会議設計には、複数の弊害があります。管理職研修の受講者に当てはまるものを聞くと、ほぼ全員が複数項目に手を挙げます。

  • 発言しない参加者が増え、会議の空気が重くなる
  • 「自分には関係ない」と感じた参加者が内職を始める
  • 意思決定すべき人数が増えすぎ、合意形成に時間がかかる
  • 全員の都合を合わせることが難しく、日程調整だけで疲弊する
  • 「なぜ自分が呼ばれたのか分からない」という不満が生まれる
  • 発言機会の少ない参加者のエンゲージメントが低下する

管理職研修では「会議に不要な人を呼ぶことは、相手の時間を奪う行為だ」という認識を持つことが重要とされています。参加者の絞り込みは、生産性を高めるだけでなく、メンバーの時間を尊重するというメッセージでもあります。

なお、参加者を絞り込む前提として、会議の目的と終了条件が明確になっていることが必要です。「何のための会議か」が決まっていないと、誰が必要かも判断できません。

2. 参加者を分類する3つのカテゴリー

管理職研修では、参加者を次の3つのカテゴリーで整理することを推奨しています。この分類を使うだけで、参加者選定の判断がスムーズになります。

カテゴリー定義具体例
① 必須参加者
(Must)
意思決定権を持つ人、または意思決定に不可欠な情報を持つ人プロジェクトオーナー、承認権限を持つマネージャー、専門知識を持つ担当者
② 任意参加者
(Optional)
決定事項の影響を受けるが、意思決定には直接関与しない人決定を実行するだけの担当者、関連部署への連絡係、見学・学習目的の参加者
③ 不要な参加者
(Not Needed)
「念のため」「角が立つから」という理由だけで招集されている人慣例的に呼ばれているが発言も意思決定も行わない参加者

「②任意参加者」は会議後の議事録・報告共有で代替できるケースが多く、参加を省略することで当人の時間も守れます。管理職研修で学ぶ当社が提唱する「組織対話力」の観点からも、会議に呼ぶ人数を最適化することが、対話の密度と質を高める基本です。

3. 参加者選定の3つの判断基準

誰を呼ぶかを判断する際に、管理職研修では次の3つの問いを使うことを推奨しています。この問いに「No」と答えられる場合は、参加を見直す余地があります。

問い①:この人の発言なしに、会議の目的は達成できるか?

「この人がいなくても会議の目的(意思決定・課題解決など)は達成できる」と判断できるなら、その人の参加は不要である可能性が高いです。逆に言えば、必須参加者とは「この人がいないと会議が成立しない人」です。

問い②:この人にとって、この情報はリアルタイムで必要か?

会議後の議事録・報告共有で十分な場合は、参加を省略できます。「会議後にメールで共有する」「録画を送る」という手段も有効です。管理職研修では「議事録のリアルタイム共有」が浸透している組織ほど、参加者の絞り込みがしやすくなると言われます。

問い③:この人は会議で発言するか?

毎回の会議で一度も発言しない参加者がいるなら、その人にとっても参加は苦痛である場合が多いです。全員発言が理想ですが、構造的に発言が期待できない人は、参加対象を見直すサインです。

4. 参加者を外す際の「伝え方」

参加者を絞り込む際に多くの管理職が悩むのが「呼ばない人への伝え方」です。管理職研修では、次の2つのアプローチを推奨しています。

ポジティブなフレーミングで伝える

「あなたの参加は必要ありません」ではなく、次のように伝えます。

伝え方の例

「この会議は意思決定メンバーのみで行います。〇〇さんの時間を有効に使っていただくため、今回は会議後に結果をご共有します。何か事前に確認したい点があれば、ぜひ教えてください。」

「参加しなくてよい=あなたの時間を尊重している」というメッセージとして伝えることがポイントです。これは管理職として部下の時間をマネジメントする姿勢の表れでもあります。

議事録・報告のルールを徹底する

参加しなかったメンバーへの情報共有を確実に行うことで、「呼ばれなかった=蚊帳の外」という不満を解消できます。議事録の即時共有3W(Who/What/When)の明示を徹底することが、参加者絞り込みの大前提です。

5. 定例会議の参加者を定期的に見直す

管理職研修では、定期的な会議(週次・月次の定例会議)の参加者を**四半期に一度は見直す**ことを推奨しています。

組織の状況や各人の役割は常に変化します。半年前には必要だった参加者が、今は不要になっているケースは珍しくありません。「ずっとこのメンバーで続けてきたから」という慣性で参加者を増やし続けると、会議はどんどん重くなります。

見直しの際は、次のチェックを行うことを管理職研修では推奨しています。

  • 過去3ヶ月で一度も発言していない参加者はいないか
  • 会議の目的・議題が変わったのに参加者が変わっていないことはないか
  • 「念のため呼んでいる」だけの参加者が増えていないか
  • 参加者本人が「この会議に出る意味がある」と感じているか

この問い直しを習慣化するだけで、会議の「肥大化」を防ぐことができます。

6. オンライン会議における参加者管理の注意点

対面会議に比べてオンライン会議は「気軽に招待できる」という特性があり、それが逆に「とりあえず全員招待」を助長することがあります。しかしオンラインでも、参加者選定の基準は対面と変わりません。

むしろオンライン会議では「カメラオフで参加しながら他の仕事をしている」という実態が起きやすいため、参加者の絞り込みがより重要です。管理職研修では次のルールを設けることを推奨しています。

  • 招待前に「この人は本当に必要か?」を一度確認する
  • 「情報共有のみ必要な人」には会議後に録画や議事録を送る
  • 招待メールに「任意参加」と明示し、参加・不参加を本人に判断させる
  • 大人数の場合、「意思決定者のみ発言・他はオブザーバー」と役割を明確にする

まとめ

会議の参加者を絞り込むことは、「組織の生産性を高める」という観点だけでなく、「参加者の時間を大切にする」という管理職としての姿勢を示すことでもあります。管理職研修でこのスキルを習得し実践することで、会議コストの削減・参加者のエンゲージメント向上・意思決定のスピードアップという複合的な効果が得られます。

まず今日から実践できることとして、次の会議の招待リストを開き「この人は本当に必要か?」を一人ひとり問い直してみてください。

次の記事では、いよいよ会議当日の進行編に入ります。「全員が発言する会議のつくり方」では、特定の人しか話さない会議を変えるファシリテーション技術を解説します。

📖 会議ファシリテーション完全ガイド ─ シリーズ全10回

  1. 会議ファシリテーションの基本|理想のファシリテーターとは何か
  2. 会議の準備が9割!「目的と終了条件」の設定法
  3. アジェンダなき会議は失敗する|進行表の作り方と共有のポイント
  4. 【本記事】会議参加者を絞り込む技術|本当に必要な人だけにする方法
  5. 全員が発言する会議のつくり方|ポストイット活用術
  6. 「できない理由」から「どうすればできるか」へ|前向き議論の引き出し方
  7. 議事録リアルタイム共有でホワイトボード活用|可視化ファシリテーション
  8. 3W(Who・What・When)の徹底|決定事項を実行につなげる
  9. 会議のフォローアップとPDCA|組織を動かす約束管理術
  10. 会議力チェックリスト14項目|組織の対話力レベルを上げる実践ガイド

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Tetsuro

Tetsuro

株式会社 2E Consulting 代表。中小企業診断士。アメリカ合衆国ニューヨーク州出身。一橋大学社会学部卒。三菱商事にて製鉄用石炭・鉄鉱石のトレーディング・事業開発・投資事業に携わり、インド・ドイツ・シンガポールに9年間駐在。海外駐在において現地人材の育成・組織開発に携わる中で人材育成に興味を持ち、企業向け研修会社に転職、年間2,000人の受講生にビジネススキルを教える。Harvard Business School Program for Leadership Development 修了(2019年)。その後、独立し、中小企業診断士として数多くの企業経営の現場で経営改善に従事している。

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