2E式管理職養成プログラム

「自己基盤力」をベースに

管理職を“罰ゲーム”にしないための、マネジメント再設計。

お問い合わせ

ご質問、ご相談、お気軽にお寄せください。

【管理職研修】あなたの組織は「問題対応型」か「課題設定型」か?——目標設定が思考の転換を生む

◀ 前の記事
— 全10回シリーズ:第3回 —
次の記事 ▶

はじめに:毎日「火消し」に追われていませんか?

設備の故障、クレーム対応、納期遅延、顧客からの急な要望——。

管理職として日々の業務にあたっていると、こうした「問題」への対応に時間を取られることは避けられません。それらに迅速に対処することは、もちろん必要です。

しかし、ここで立ち止まって考えてみてください。

あなたの組織は、問題に「追われている」のでしょうか。それとも、課題を「設定している」のでしょうか。

この二つは似ているようで、まったく異なります。そして、どちらの思考様式を持つかによって、半年後、1年後、3年後の組織の姿は決定的に変わります。

当社の管理職研修でも、この「問題対応」と「課題設定」の違いは、目標設定の技術を学ぶうえで最初に押さえるべき重要なテーマとしてお伝えしています。

「問題」と「課題」は、根本的に違うもの

まず、「問題」と「課題」の違いを明確にしましょう。

「問題」とは、すでに発生してしまったマイナスの事象です。

設備が壊れた。顧客からクレームが来た。納期に間に合わない——。これらは、放置すれば損害が広がるため、対応が求められます。問題対応は、組織運営において不可欠な活動です。

一方、「課題」とは、目標設定の過程で「ありたい姿」を描くことで初めて見えてくる、未来へのギャップです。

課題は、目の前に転がっているものではありません。「私たちの組織は、どんな状態を目指しているのか」という理想を描いたとき、現状との間にあるギャップとして浮かり上がるものです。

つまり、課題は与えられるものではなく、目標設定を通じて自ら設定するものなのです。

本リー組織の構造的な違いは、いくつかの観点から整理できます。

組織全体のエネルギーが一つの方向に束ねられます。

「ありたい姿」が共有されている組織では、メンバー一人ひとりが「自分の仕事がどこに向かっているのか」を理解できます。個々の判断にブレが生じにくくなり、組織としての一体感と推進力が格段に高まります。

問題対応だけでは「現状維持」すらおぼつかない

「問題に対応することは大切だ。だから問題対応型で何が悪いのか」——そう思われるかもしれません。

たしかに、問題への対応は不可欠です。しかし、問題対応だけを繰り返していては、組織は「現状維持」すらおぼつきません

なぜなら、ビジネス環境は常に変化しているからです。顧客のニーズは変わり、競合の動きも変わり、技術も進歩します。「今のやり方を続けていれば安泰」という状況は、ほぼ存在しません。

問題対応型の組織は、波に揺られる小舟のようなものです。波が来るたびに対応はしますが、自ら航路を定めていないため、気がつけば思わぬ場所に流されています。

一方、目標設定によって課題を設定している組織は、自ら航路を定めた船です。荒波の中でも進むべき方角を見失わず、着実に目的地に向かって進んでいきます。

「課題設定型」への転換は、目標設定から始まる

では、問題対応型から課題設定型へと転換するには、何が必要なのでしょうか。

その答えは、目標設定にあります。

「ありたい姿」を描く目標設定を行うからこそ、現状とのギャップが見え、取り組むべき「課題」が浮かり上がる。目標設定がなければ、課題は見えません。見えないものには取り組めません。

目標設定とは、「課題を発見するためのレンズ」を手に入れることでもあるのです。

具体的には、次のような目標設定のプロセスが有効です。

第一に、「ありたい姿」を言語化する。 「1年後、私たちの組織はどんな状態になっていたいか」を、できるだけ具体的に描いてみてください。

第二に、現状を客観的に把握する。 目標設定で描いたありたい姿と現状の間にあるギャップを直視します。このギャップこそが、取り組むべき課題です。

第三に、課題に優先順位をつける。 すべての課題に同時に取り組むことはできません。「今期、最も重要な課題は何か」を選択し、リソースを集中させます。

日々の「火消し」の中に、目標設定の時間を確保する

ここで現実的な問題に触れておきましょう。「理想はわかるが、日々の問題対応で精一杯で、目標設定に時間を割く余裕がない」——多くの管理職が抱えるジレンマです。

しかし、これはなのです。

目標設定を行い、課題を設定し、先手を打つことで、問題の発生そのものを減らすことができます。品質管理の仕組みを整えれば、クレームは減ります。メンバーの育成に投資すれば、ミスは減ります。つまり、目標設定に時間を投資することは、将来の問題対応の時間を減らすことにつながるのです。

短期的には「問題対応」に追われる時間を少し削ってでも、「目標設定」の時間を確保する。この意思決定ができるかどうかが、管理職の力量を分けるポイントです。

当社の管理職研修では、この思考の転換を実践に落とし込むためのフレームワークも提供しています。

まとめ:目標設定による思考の転換が、組織の未来を変える

問題対応型の組織と課題設定型の組織の差は、日々の業務の中では見えにくいかもしれません。しかし、時間が経つにつれて、その差は決定的なものになります。

問題に追われるだけの組織から、自ら課題を設定し未来を創る組織へ。その転換の第一歩は、「ありたい姿」を描き、目標設定を行うことから始まります。

まずは週に1時間でも構いません。「問題対応」の手を止め、「私たちはどこに向かいたいのか」——目標設定のための時間を設けてみてください。

FREE DIAGNOSIS

無料マネジメント診断のご案内

「目標設定はしているが、組織がうまく動いていない気がする」
「管理職としての自分のマネジメントを客観的に見直したい」

そのようなお悩みをお持ちの方へ——当社では、マネジメントの現状を可視化する無料マネジメント診断をご提供しています。目標設定の質、組織の推進力、メンバーとの関わり方など、マネジメントの要所を多角的にチェックできます。

▶ 無料マネジメント診断を受ける

Tetsuro

Tetsuro

株式会社 2E Consulting 代表。中小企業診断士。アメリカ合衆国ニューヨーク州出身。一橋大学社会学部卒。三菱商事にて製鉄用石炭・鉄鉱石のトレーディング・事業開発・投資事業に携わり、インド・ドイツ・シンガポールに9年間駐在。海外駐在において現地人材の育成・組織開発に携わる中で人材育成に興味を持ち、企業向け研修会社に転職、年間2,000人の受講生にビジネススキルを教える。Harvard Business School Program for Leadership Development 修了(2019年)。その後、独立し、中小企業診断士として数多くの企業経営の現場で経営改善に従事している。

コメント

この記事へのコメントはありません。

おすすめ記事

PAGE TOP