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管理職研修の最終ステップ|打ち手を決め、進捗管理で課題解決を完走する方法

管理職研修打ち手決定進捗管理会議体設計

課題解決力の真価は、分析して終わりではありません。具体的な打ち手を決定し、実行し、進捗を管理して初めて完成します。本記事では、WHY(ありたい姿)→ HOW(課題の構造分析)→ WHAT(打ち手の決定)というフローの最終フェーズとして、「打ち手の決定・行動計画への落とし込み・進捗管理の会議体設計」を解説します。管理職研修で学ぶ実行力の全容をお伝えします。

分析で終わる管理職、動かせる管理職——その差はどこにあるか

管理職研修の場でよく見られるのが、次の2つの対照的な状態です。

✗ よくある失敗パターン①

課題分析に時間をかけすぎて「完璧な答え」を求め続け、打ち手を決断できないまま時間だけが過ぎる。

✗ よくある失敗パターン②

課題の構造分析をせずに思いつきで打ち手に飛びつき、根本原因を解決しないまま対処療法を繰り返す。

管理職に求められるのは、この両極端を避ける「適切なタイミングで決断し、チームを動かす」バランス感覚です。本記事ではそのための具体的な手順を解説します。

打ち手を決定する3つのステップ

課題の構造をMECEで把握できたら、次は「どの打ち手から着手するか」を決定するフェーズです。管理職研修では以下の3ステップで進めます。

Step
1
行動要因を特定する

MECEで分解した課題の構造から、「自分たちが行動することで変化させられる要因」を洗い出します。コントロールできない外部要因(市場動向・競合の動き・天候など)に時間を使うのではなく、自分たちが直接動かせる要因に集中することが、課題解決を加速させる鍵です。

Step
2
優先順位をつける

洗い出した行動要因の中から「効果が高く、かつ実行可能性も高いもの」を優先します。重要度×緊急度のマトリクスや、投資対効果の観点で絞り込みます。すべてを同時にやろうとすることは、すべてを中途半端にすることと同義です。管理職は「捨てる勇気」を持ち、集中する打ち手を選びます。

Step
3
3W(Who・What・When)で行動計画に落とし込む

選んだ打ち手を、「誰が(Who)・何を(What)・いつまでに(When)」という3Wで具体化します。「頑張る」「改善する」という言葉では人は動けません。固有名詞と日付で書かれた行動計画があって初めて、チームは迷わず動き出せます。

📋 3W 行動計画の具体例

打ち手「ファミリー向けプレミアムセットの訴求強化」→ 田中が/6月末までに/店頭POP3種とSNS投稿用クリエイティブを完成させる

進捗管理の会議体を設計する

打ち手と行動計画が決まったら、それを実行・管理するための「会議体の設計」が必要です。管理職研修では、会議を「目的別に設計する」という視点を強調します。

多くの組織で問題になるのが、「何でも一つの会議で決めようとする」「会議が情報共有で終わり、課題解決の議論がない」「同じ問題が何度も会議に上がるが決着しない」という状態です。これは会議の「目的」が不明確なために起きます。

📊 KPI確認会議(週次・月次)

KPIの進捗を確認し、計画と実績のギャップを把握する。数字の報告だけでなく、ギャップの要因分析まで行うことが重要。

🔧 課題解決会議(随時)

KPI未達や新たな課題に対して打ち手を議論・決定する。「課題の構造分析→優先順位→打ち手決定→3W割り振り」の流れで進める。

💡 戦略確認会議(四半期・半期)

「ありたい姿」やKGIの方向性を確認・修正する。環境変化を踏まえてKGIや重点領域そのものを見直す場。

🤝 1on1・チェックイン(週次)

メンバー個人の進捗・障壁・モチベーションを確認する。管理職とメンバーの対話の場。Will・Can・Mustの観点から個人のありたい姿も支援する。

この4種類の会議を目的に応じて使い分けることが、管理職の「仕組み作り力」の現れです。逆にすべてを一つの会議に詰め込もうとすると、情報共有で時間を使い果たし、肝心な課題解決の議論ができないという悪循環に陥ります。

「計画通りにいかない」ときこそ管理職の真価が問われる

打ち手を実行し始めると、必ず「計画通りにいかない」場面が生じます。管理職研修で繰り返し伝えるのは、「計画との乖離は失敗ではなく、学びの起点だ」という視点です。

KPIが未達になったとき、管理職に求められるのは「もっと頑張れ」という精神論ではありません。「どのステップで、なぜ計画と乖離したのか」を構造的に分析し、打ち手を修正することです。このPDCAの質こそが、管理職の課題解決力の高さを決定します。

✦ 進捗管理の本質は「結果の評価」ではなく「プロセスの修正」にある

まとめ——課題解決力は「実行して初めて完成する」

打ち手の決定と進捗管理の要点を整理します。

  • 行動要因を特定し、優先順位をつけて打ち手を絞る——コントロールできる要因に集中する
  • 3W(Who・What・When)で行動計画を具体化する——固有名詞と日付で書いて初めて人は動ける
  • 目的別に会議体を設計する——KPI確認・課題解決・戦略確認・1on1を使い分ける
  • 計画との乖離をプロセスの修正機会と捉える——PDCAの質が課題解決力の差になる

課題解決力こそ、新しい時代の管理職に求められる力

本シリーズで解説してきた「問題と課題の違い」「4つの組織タイプ」「WHY→HOW→WHATフロー」「ありたい姿の設定(Will・Can・Must)」「VRIO分析」「4Wマトリクス×KGI・KPI」「MECE×構造的思考」そして「打ち手決定と進捗管理」——これらはすべて、管理職が組織を「問題への対処」から「課題への挑戦」へと変えるための一連の思考フレームです。

変化の激しいビジネス環境において、管理職に求められる力は「問題に対処する力」から「課題を設定し、組織を未来に向けて動かす力」へと進化しています。管理職研修は「知識を学ぶ場」ではなく「思考と行動を変える場」です。学んだことを現場で実践し、チームの変化を通じて組織全体の課題解決力を高めていくことが、最終的なゴールです。

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Tetsuro

Tetsuro

株式会社 2E Consulting 代表。中小企業診断士。アメリカ合衆国ニューヨーク州出身。一橋大学社会学部卒。三菱商事にて製鉄用石炭・鉄鉱石のトレーディング・事業開発・投資事業に携わり、インド・ドイツ・シンガポールに9年間駐在。海外駐在において現地人材の育成・組織開発に携わる中で人材育成に興味を持ち、企業向け研修会社に転職、年間2,000人の受講生にビジネススキルを教える。Harvard Business School Program for Leadership Development 修了(2019年)。その後、独立し、中小企業診断士として数多くの企業経営の現場で経営改善に従事している。

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