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パワハラ型管理職はなぜ生まれるのか|管理職研修で取り組む自己基盤力の強化

「パワハラ問題」は、多くの企業にとって喫緊の経営課題です。管理職研修でハラスメント防止研修を実施している企業も増えていますが、「やってはいけないこと」を教えるだけでは、問題の根本的な解決には至りません。なぜなら、パワハラ型管理職が生まれる本当の原因は、行動ではなく、その管理職自身の「自己基盤力の脆弱さ」にあるからです。管理職研修でこの本質に踏み込むことが、真のハラスメント防止への道です。

表面上は自信に満ちているように見えても、内面では不安や劣等感を抱えている管理職がいます。個別に面談してみると、彼らの多くは自分の価値を十分に認識できておらず、その弱さを隠そうとするあまり攻搃的な態度に出てしまっていることがわかります。部下に高圧的に接するのは、実は自分自身を守るための防衛反応なのです。自分に自信がないから、部下が成長することを脅威に感じ、押さえつけようとしてしまう。部下が優秀であればあるほど、自分の存在価値が脅かされるように感じてしまう。この構造を理解しない限り、行動面だけをいくら矯正しても根本的な解決にはなりません。禁止事項を教えたところで、圧力のかけ斷が巧妙になるだけという懷念すらあります。

自己基盤力が高い管理職は、まったく異なる振る舞いを見せます。自分の価値をしっかりと理解し、揺るぎない自信を持っています。その自信は他者との比較から生まれるものではなく、自分自身への深い信頼と自己理解から来ています。だからこそ、周囲に対して謙虚であり、思いやりを持って接することができるのです。自分に自信と成長意欲を持っているからこそ、部下は自分を支援してくれるサポーターであり、押さえつける必要がないと心から理解できます。

管理職研修でパワハラを根本的に予防するためには、従来型の「禁止事項の教育」に加えて、自己基盤力を強化するプログラムが不可欠です。具体的には三つのステップが有効です。

第一に、管理職自身の承認欲求の構造を理解すること。自分が他己承認欲求に支配されていないかを自覚することが出発点です。他人の評価に振り回され、常に比較の中で生きている管理職は、部下に対しても支配的な関わり方をしやすくなります。後輩が先に昇進されば嫉妬し、同期よりボーナスが多ければ優赪感に浸り、次第に、同僚の成功を心から喜べない自分になっていく。こうした他己承認欲求のパターンに気づくことが第一歩です。

STEP 1
承認欲求の構造を理解する
他己承認欲求に支配されていないか自覚する
STEP 2
自己肯定感を高める
自分史で過去を再解釈し、自己信頼を回復する
STEP 3
自己効力感を育てる
「自分ならできる」という感覚で部下を支援できる状態へ

第二に、自分史を通じて過去を振り返り、自己肯定感を高めること。過去のネガティブな経験を「意味ある体験」として再解釈し、「自分の人生も悪くない」と思える状態をつくります。ありのままの自分を受け入れられるようになった管理職は、部下のありのままをも受け入れられるようになります。

第三に、自己効力感を育てること。「自分ならできる」という感覚が育つと、管理職は部下の存在を脅威と感じなくなります。自分に自信があるからこそ、部下の成功を素直に喜び、失敗を温かく受け止め、成長を全力で支援できるようになるのです。

管理職研修でパワハラの根本原因に踏み込むことは、企業にとって大きなリスク低減にもつながります。2020年6月に施行された改正労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)により、企業にはパワハラ防止措置を講じることが義務づけられました。しかし、多くの企業の対応は「相談窓口の設置」や「ハラスメントとは何かを周知する研修」にとどまっており、発生を予防するための根本的なアプローチには至っていないのが実情です。

パワハラが発生してからの対処療法ではなく、パワハラが発生しない組織をつくること。そのためには、管理職一人ひとりの自己基盤力を高める予防的なアプローチが不可欠です。管理職研修をこの視点で再設計することで、コンプライアンスリスクの低減だけでなく、組織全体のエンゲージメント向上にもつなげることができます。

実際に、自己基盤力をテーマにした管理職研修を実施した企業では、研修後に管理職のコミュニケーションスタイルが大きく変化したという報告があります。以前は指示命令型だった管理職が、部下の意見をまず聴く姿勢を自然に身につけたケースや、「なぜできないんだ」という叱責が「どうすればできるようになるか、一緒に考えよう」という対話に変わったケースなどです。

これらの変化は、管理職が「自分は大丈夫だ」という自己基盤の安定感を得たことで、部下に対する余裕が生まれた結果です。自分自身が安定していなければ、他者を受け入れる余裕は生まれません。パワハラ防止の本質は、禁止事項の暗記ではなく、管理職自身の内面の安定にあるのです。管理職研修の設計において、この視点を取り入れることを強くお勧めします。

管理職研修でパワハラの根本原因に取り組むことは、企業のブランド価値の向上にも直結します。近年、就職・転職市場では「働きがい」や「心理的安全性」が企業選びの重要な基準となっています。パワハラが頻発する企業からは優秀な人材が流出し、採用活動にも悪影響を及ぼします。逆に、管理職の自己基盤力が高く、承認文化が根づいた企業は、口コミやSNSを通じて「良い職場」として評判が広がり、優秀な人材の獲得競争で優位に立てるのです。

さらに見逃せないのが、パワハラ型管理職が組織にもたらす経済的コストです。パワハラが原因でメンタルヘルスを損ない休職する社員、退職してしまう社員、その補充にかかる採用・教育コスト。そして何より深刻なのが、パワハラを目撃した周囲のメンバーのモチベーション低下です。一人のパワハラ咋管理職の存在が、チーム全体、場合によっては組織全体のパフォーマンスを引き下げてしまうのです。

だからこそ、管理職研修における臱己基盤力の強化は、コスト削減という観点からも極めて合理的な投資です。禁止事項を教えるだけのハラスメント防止研修に比べ、臱己基盤力の強化に取り組む管理職研修は、より根本的で、より持続性のある効果を生み出します。

管理職研修でパワハラの根本原因に踏み込むことは、一見すると「重い」テーマに感じるかもしれません。しかし実際には、自己基盤力を高めるプログラムは管理職にとって非常にポジティブな体験となります。自分の人生を振り返り、価値観を言語化し、ありたい姿を描く。このプロセスは、管理聽自身にとって「自分は大丈夫だ」という安心感と「自分にはまだ可能性がある」という希望を同時に与えてくれるものだからです。パワハラ防止という文脈に限定せず、管理職の自己成長プログラムとして位置づけることで、より多くの管理職が前向きに参加できるようになるでしょう。

管理職研修を「パワハラ防止のためのもの」という消極的な位置づけから、「管理職が自分らしく輝くためのもの」という積極的な位置づけに転換すること。この発想の転換が、研修参加意欲を高め、学びの質を向上させ、結果としてパワハラのない職場づくりにつながっていきます。管理職研修の再設計を、ぜひ前向きに検討してみてください。

管理職研修を「パワハラ防止のためのもの」という消極的な位置づけから、「管理職が自分らしく輝くためのもの」という積極的な位置づけに転換すること。この発想の転換が、研修参加意欲を高め、学びの質を向上させ、結果としてパワハラのない職場づくりにつながっていきます。管理職研修の再設計を、ぜひ前向きに検討してみてください。

パワハラは「してはいけないこと」を教えるだけでは防げません。管理職研修において、内面の構造に向き合い、自己基盤力を高めるプロセスを経ることこそが、真のハラスメント防止につながります。御社の管理職研修は、禁止事項の教育にとどまっていませんか。

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Tetsuro

Tetsuro

株式会社 2E Consulting 代表。中小企業診断士。アメリカ合衆国ニューヨーク州出身。一橋大学社会学部卒。三菱商事にて製鉄用石炭・鉄鉱石のトレーディング・事業開発・投資事業に携わり、インド・ドイツ・シンガポールに9年間駐在。海外駐在において現地人材の育成・組織開発に携わる中で人材育成に興味を持ち、企業向け研修会社に転職、年間2,000人の受講生にビジネススキルを教える。Harvard Business School Program for Leadership Development 修了(2019年)。その後、独立し、中小企業診断士として数多くの企業経営の現場で経営改善に従事している。

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